要人警護を担うSPとは?




警察の装備 航空機編
































































要人警護を担うSPとは? 




■ 公開日 2013/05/09 15:24:51  
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SPとは警護対象者を己の命に代えて護り抜けと至上命令を下された警視庁警備部警護課のエリートたち。その知られざる世界とは!


総理大臣の周りで紺のスーツをまとい、鋭い眼光で周りを威嚇している屈強な男女ら。そう、彼らこそ警視庁警備部警護課に所属し、内閣総理大臣や総理経験者など政治家の身辺警護を任務とする警察官、いわゆるSPです。普段はフォーマルなスーツ姿ですが、一旦事あらば、上着の下に隠した15連発のベレッタや17連発のグロック拳銃を抜いて暴漢やテロリストと戦うこともあり、警視庁警察官の数ある職種の中でも最高峰とされている勇壮な仕事です。しかし、SPの第一義的な任務は「警護対象者を守ること」ですので、暴漢に襲われた場合は、政治家をそのまま防弾化された警護車に文字通り押し込めて、サイレンを鳴らしてさっさと現場を離脱します。SPの採用に当たっては身長が基準以上という規定があるほか、警察官としての高い法執行能力が要求されています。しかし、求められる一番重要なライトスタッフは、警護対象者のために自らの命をなげうって肉盾になれるかという特別な死生観です。なお、アメリカでは警察ではなくシークレットサービス(SS)という国土安全保障省所属の警護隊がオバマ大統領を警護しています。

SPの選抜は?どうやってなるの?


SPは警視庁にしかいませんから、まず警視庁警察官採用試験を受けて合格し、警視庁警察官を拝命することが、第一の関門です。そして交番勤務を皮切りに、現場で何年か下働きを積んでノルマを稼ぎ、捜査書類作成能力に磨きをかけ、上司からの信頼を得る事が必要です。選考要件も複数あり、柔道3段以上、射撃上級、身長175センチ以上、30歳未満などの要件、さらに上司(警察署長)の推薦状も必要になります。このような資格を持つ警視庁警察官が筆記試験や面接を経て、合格し厳しい訓練を受けたのちにSPに任命されます。300人が難関に臨んで、選抜されるのはたった実に10人程度。かなりの狭き門になっているのが実情です。なお前述したとおり、SPは警視庁にしかいませんが、要人警護を担う専従のセクションは各道府県警察本部でも編成されており、そこに所属する警護員が各道府県の知事などの警護にあたっています。

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SPの武器、装備品は?






SPが使用する拳銃(短銃)は並みの一般警察官には配備されない多弾数の特別なものが配備されています。例えば、警視庁のSITも使う威力の強い9ミリ口径のベレッタ92、それにグロック社の半プラスチック短銃や、SATや陸上自衛隊でも2004年から使用している半プラスチック製のUSP短銃をさらに高性能に改良したP2000といった短銃が配備されています。いずれも15発から17発程度の弾丸を装填できる自動式の軍用けん銃であり、制服警察官の持つスミス&ウェッソン・サクラという5連発の回転式拳銃に比べると、ハイキャパシティを誇ります。また、SPの公開訓練でSPたちがアタッシュケースを持っている映像を見た事がある方も多いと思います。実は、防弾になっている特殊なアタッシュケースなのです。ケースを警護対象者にかぶせて防弾チョッキの代わりにしたり、SPが自らを守る盾にします。なお、SP自体が「肉の楯」という現実的な側面もあります。


SPの警護対象となる者は?


厳しい選考基準で採用されたSPはやはり少数精鋭ですから、すべての国会議員や閣僚を警護することは数の面で不可能です。実はSPの警護を受ける者は法律で規定されており、政治家であっても内閣総理大臣をはじめ、閣僚、政党の代表など特別な公職に就くごく少数の者だけが対象です。またSPは通常、民間人の警護は行いません。つまり総理大臣の妻や娘であっても、その身辺警護は行わないという厳しい現実があります。このことが「皇族全員」を警護(警衛と呼ぶ)対象とする皇宮警察と異なります。ただ一つ例外があり過去、唯一、経団連の会長だけはSPによる警護を受けていました。


政治家の公務以外でも警護する


例えば政治家が公務以外の、遊びや会食などのときでも当然警護しなければなりません。政治家が遊んでる時に自分は命を懸けて警護するのですから、自分で選んだとはいえ、その不条理な職務から来るストレスで胃薬は欠かせません。しかし、赤ネクタイの誇りにかけて、鼻くそほじることは許されません。あとで怖い先輩からヤキが入り、スーツのエリからSPバッジをはずす屈辱が待っています。

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SPの服装は?


ほとんどが紺色のスーツ着用での任務となり、ネクタイは赤い専用の物を着用する場合があるほか、襟元にSPのバッジを着用します。アメリカのSSと違ってサングラスを着用しません。


徒歩での警護


政治家を中心に4人のSPが取り囲み移動するクサビ型警護では前のSP二人が前方を警戒し、後ろの二人が後方の警戒に当たり、突発的な暴漢の攻撃から対象者を守ります。


車両での警護


当然ながら、SPはパトカーの運転技術にも長けています。SPが使用する警護車は特別装備を施した高級セダンです。後部トランクリッドには何本もの警察無線用のアンテナが生え、異様な雰囲気を醸し出しています。時には警護車の窓からSPは身を乗り出してニンジン片手に口で警笛を吹き鳴らし、通行する自転車や歩行者を威嚇しながら交通統制を行います。


女性SPも活躍している


SPといえば屈強な男の警察官のみのイメージですが、国際的な貴賓を招いた場合、それが女王陛下だったりすると男性のSPでは不都合な面も出てきます。そこで女性SPの出番となります。女性であれば、トイレも難なく入れるし、同じ部屋で寄り添っての警護が可能です。しかし、女性SPの数は非常に少なく、選抜される女性警察官も男性ホルモンの多そうな有能な女性だけですから、普通の能力の一般女性警察官ではなるのは一苦労です。


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