警察の鑑識と科捜研




警察の装備 航空機編































































警察の鑑識と科捜研 




■ 公開日 2013/05/09 15:24:51  
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動かぬ証拠を採取し、裁判で警察を栄光の勝利へと導く鑑識課員たち






鑑識は事件の物証を科学的に採取し検証する部署で、都道府県警察本部刑事部の中に編成されており、どの警察署にも刑事課の中に置かれています。ひとたび、事件が発生すれば鑑識専用のワンボックス型緊急車両が、緊急走行で覆面パトカーとともに現場へ駆けつけます。近年では刑事ドラマもネタギレになってきたのか、鑑識が主役になるものも。日本における事件現場での指紋、血液、足跡採取、写真撮影といった鑑識活動は警視庁が明治44年から採用しています。鑑識課員のそのすべてが警察学校で高い知識を習得しており、プロ意識が高いのです。また警察犬、k-9も鑑識課員のお仕事です。


DNA鑑定



DNA(デオキシリボ核酸かくさん:DeoxyriboNucleic Acid)は、生物の身体を構成している細胞中の核の部分に存在し、人間の体を作り上げる物質です。このDNAは、一人一人で違っており、DNA鑑定とは、このような個人が持つ個体差を鑑定して個人を特定する手法です。しかし、犯行現場に落ちていた髪の毛では、DNAが採取できないのも事実です。現在、警察の科学捜査ではDNA鑑定が非常に重要視されており、犯人が事件現場に残した毛髪などからDNA情報を割り出して、過去のデーターベースと照合したり犯人と疑われる怪しい関係者から任意で口の中の粘膜を提供してもらって、DNAの照合を行っています。しかし、ただ単に現場に落ちていた髪の毛からDNAを取り出すのはかなり困難のようです。これは、自然に抜けた髪の毛には毛根が無いためです。DNA鑑定が可能な人間の遺留物は血液、消化液、唾液、涙、汗、嘔吐物、膿汁といった体液があります。昔から空き巣の中には、忍び込んだ家の茶の間にはいせつをしていく者もいます。理由には諸説ありますが、「まじない」や「ウンがつくという縁起担ぎ」とか「金目のものが無かった腹いせ」などといったものがあるようです。腹いせ的な行動としては家じゅうに冷蔵庫のケチャップを撒かれた空き巣被害者もいます。さて、こんな遺留物のはいせつぶつからDNAを検出することは可能なのでしょうか。はいせつぶつの鮮度が良い場合、人間の腸内の粘膜が付着しているので、理論上、個人を判別する手がかりとなるDNAの採取と検出は可能とされています。ただ通常、はいせつぶつには細菌が多数含まれており、DNAはこれらの細菌により損傷するため、検出が困難である場合が多いとされています。このように、法医学の観点からはいせつぶつは理想的な証拠物とは言えないでしょう。2014年12月、群馬県前橋市の住宅に押し入って老夫婦の命を奪った元ラーメン屋見習い&警備員・土屋和也容疑者(26)は犯行現場の住宅でリンゴを食すという謎の行動をしました。その結果、食べかけのリンゴに容疑者の唾液が残り、DNAが採取されたことが動かぬ証拠となりました。もし万が一、自宅や会社などで犯罪が行われた場合、事件現場はそのままにして110番することが求められます。

筆跡鑑定



近年では「黒子のバスケ(黒バス)作者脅迫事件」が世間を騒がせました。犯人は当初、インターネット掲示板において作者への脅迫を行っていましたが、エスカレートしてリアルに脅迫状を出しまくりました。さらに今度は、毒入りお菓子の写真等までを送りつけ悪質な脅迫を行いました。このような脅迫が繰り返され、同作品のイベントやキャンペーンが中止になり、様々な企業の業務まで妨害しました。このような事件での脅迫状は、犯人が手書きで送ってくることもあります。その際は、筆跡もまた個人を特定する大きな証拠となるものですので、必ず筆跡鑑定が行われます。誘拐事件や中学校への爆弾脅迫事件でも、犯人が脅迫状を送ってくることもありますから、筆跡を鑑定するために、学校の生徒や関係者から任意で筆跡を提供してもらって鑑定しているのが実情です。


足跡鑑定



空き巣被害などでは住居の内外に犯人の足跡が残されている場合が大半です。鑑定には重合法、指摘法などといった様々な鑑定法が行われます。靴のメーカーやサイズはもちろんのこと、靴に付着した泥などの残留物も含めて鑑定が行われています。足跡からは犯人の身長や歩幅、実に様々な犯人の特徴がワリ出せます。このような鑑定にはニコンの大型マクロ写真装置などのほか、ハイテクコンピューター機材が使用されます。



鑑識の制服ってどんなの?


識の服装は昔から都道府県ごとに違いがあり、全国で統一されていないようです。

大阪府警では1991年ごろの鑑識はこのような紺色の作業服のようなものを着用していました。
https://www.police.pref.osaka.jp/01sogo/history/img/1991_0312.jpg

現在の警視庁はドラマでお馴染みの襟元などにイエローのワンポイントが入る感じで
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/saiyo/26/special/01/images/07_01.jpg

神奈川県警はライトブルーで
https://www.police.pref.kanagawa.jp/ps/56ps/56mes/56mes014.htm
道警は濃紺です。
http://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/keimu/saiyou/police/common/images/police_women/unit03_img02.jpg

埼玉県警では女性機動鑑識班の制服としてこのような感じになります。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150402-00010005-saitama-l11

このように全国の警察本部で鑑識課員の制服(作業服ですね)は統一されてはいないようです。


鑑識はペンタックスがお好き?



ところで鑑識はペンタックスがお好きなんでしょうか。だって、鑑識課員の採証カメラって高い確率でペンタックス製品なんですもの。シェア率で言えばニコンかキヤノンになるのが当たり前とも思えます。実はペンタックスの前身である旭光学工業は、警察の鑑識や自衛隊の装備などに使われる官公庁向けの特別製品を開発してきたという歴史があります。そういった経緯から、後継品の導入もとくに支障なければ同等品となるのが警察の常ですから、ペンタックスがずっと使われ続けているのでしょう。もちろん、入札で安い価格をニコンやキヤノンが出せば、結果はわかりません。


鑑識と密接な科学捜査研究所と科学警察研究所


日本の警察には科学的な捜査研究機関として以下の二つの機関があります。科捜研は全国の都道府県警察本部に付属する機関で、犯罪捜査では鑑識と共同で活躍します。いろいろな事件や事故が起きた場合、高度な科学技術を以て、鑑定を行います。例えば、事件現場に残された血液などの鑑定、毒物や薬物の鑑定も行うことがあります。また、銃器の鑑定では発射された弾丸の線上痕などを調べます。一方、国家機関である警察庁の付属機関として科学警察研究所もあります。科警研はもっぱら、科学捜査に関する政策や手法を企画立案することが業務です。ただし、鑑定も行います。というわけで、カソーケンの女の人の日常をドラマにすると面白そうですが、カケーケンの女の人の日常をドラマ化しても視聴率に期待できそうにありません。

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