覆面パトカー解説(赤灯編)




警察の装備 航空機編































































覆面パトカー解説(赤灯編)




■ 公開日 2013/05/09 15:24:51  
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真ん中載せ、横載せ、ダッシュボード載せ、二個載せetc....覆面パトカーと赤色灯・・・序章



事件発生の報を覆面パトカーに搭載されたモービル型警察無線が受信する。神奈川県警察機動捜査隊のスカイラインV36のハンドルを握る警部補は、またかよ〜、今夜は多いねえ・・・と、呟いたものの、その表情にはどこか笑みを浮かべていた。「年末ですもんね」その隣にはメガネをかけ大柄でいかにも柔道の有段者に見えるものの、声は穏やかな巡査部長が座っていた。巡査部長は警察無線のハンドマイクを取り、本部からの呼び出しに応答する。「機捜203から神奈川本部。現在、どんどん商店街付近」警察専用カーナビには事件現場の住所や概要など110番通報の内容が次々と表示される。「はい、行くよ〜。赤灯載っけて」警部補は笑みを浮かべて楽しそうに言った。「行きますか」助手席の巡査部長は足元の黒い収納ケースから赤色回転灯を取り出すと、ルーフに載せ、さらにサンバイザーを降ろしフラットビームをオンにする。機捜隊のスカイラインV36はサイレンをけたたましく吹鳴させながら、夜の横浜ドンドン商店街を駆け抜けた。ハンドマイクを手にして、他車へ緊急車両の通行を警告する。「はい、緊急自動車通るよー。止まって―」警部補は思った。この時ほど、警察官、それも"機捜"になってよかったと思ったことは無い。別の部署へ移るくらいなら警察を辞めたほうがマシだ。だって、こんな勇壮で美味しいところだけ持っていく仕事、他にあるだろうか。神奈川機捜の熱い夜がまた始まる。

なんすか?この中学生が書いたような三文小説。いや、中学生でも書かんでしょ。


それでは赤色灯に詳しく迫ってみましょう。


捜査用は着脱式赤色灯


通常、捜査用覆面パトカーは高域サイレンとHKFMという屋根の上の着脱式回転灯と助手席サンバイザに設置されたフラットビームのレッドフラッシュで一般車両を威嚇しながら緊急走行します。現在、日本警察の覆面パトカーの回転灯には着脱式のものと自動で起立する機構になった反転式のものの、2種類があります。覆面パトカー用の着脱式赤色回転灯を納入しているのはパトライト社。以前は小糸製品も納入されていたようで形がパトライト製品と多少異なっていました。小糸は現在も白黒パト用のバーライトを納入しています。この赤灯は着脱式になっており、通常、覆面パトカーが緊急走行する場合、ルーフ上に載せられて運用されます。メーカーのテストによれば、180キロで走行しても外れません。このHKFM回転灯には専用の収納袋もパトライトからラインナップされており 通常、助手席の足元にこの収納袋に入れた回転灯を置き秘匿しています。警察マニアはHKFM用の収納袋さえも入手してさりげなく助手席に置いておくといいます。怖い。しかし、捜査用覆面であっても、交通機動隊など、他所の部署から反転式覆面を御下がりとして融通され使うイレギュラー配備もありますから、捜査用=必ず着脱式というわけではありません。


載せ方を考察する


さて、着脱式赤灯の場合は載せ方に複数のスタイルがあるようです。大阪府警や神奈川県警など、一部の府県警察では覆面パトカーに赤灯を二個載せるというスタイルで運用しています。これは視認性をよくするためのものですが、万が一、一個の回転灯にバルブ切れや配線の断線、モーターの不具合などが生じて緊急時に使えなくなってしまっても、もう一方が動けば問題なく緊急走行できる可能性が高まりトラブルにも強いものと思われます。実際にYOUTUBE上には覆面パトカーが赤灯を点灯させ 警戒走行(緊急走行ではなくパトロール)していたものの、回転していない状態だったため赤信号で横付けされた面パオタに「光ってるけど回ってないよ」と注意されていた動画が上がっていました。注意された覆面パトカーはそそくさと小道に入って行ってしまった。こういう回転灯のトラブルも稀にあるようです。また、警視庁では現場に臨場する捜査幹部車両の目印として二個載せをやってたこともあります。つまり、赤灯二個載せは"偉い警察官"の特権でもあったわけです。


ダッシュボードの上でパトライトを点灯


ダッシュボードの上に赤灯を載せて緊急走行をするというこの手法はドラマやハリウッド映画のなかでよく登場する載せ方ではないでしょうか。しかし、実際に捜査用の覆面パトカーはダッシュボード上に載せて点灯させることもあります。筆者も地元局による密着取材番組にてダッシュボードの上でパトライトを点灯させて緊急走行する捜査車両を見たことがあります。また、元警察官でジャーナリストの故・黒木氏によればこれは「非常に眩しいため運転しにくく限定された方法だが皇族警護などで実際に行う場合もある」としています。同氏のこのコメントは京都で偽覆面のヴィッツ/toyotaがダシュボ上で赤色灯をつけて本物のパトカーに追い回された事件を受けたときのものです。なんだか横着したスタイルにも思えますが、咄嗟の場合は有用なのかもしれません。また、ラジオライフ誌によれば、警視庁の捜査用覆面が駐車禁止の場所に駐車する際は、警察車両であることをそれとなくアピールするため、ダッシュボードの上に赤灯を載せておくそうです。もちろん、消灯状態で置いておくわけですが、それでも警察車両と気づかずに、駐禁取り締まりをしてしまう駐車監視員や女性警察官がいるそうです。

捜査用覆面の屋根は傷だらけ


このように、捜査用覆面は着脱式赤色灯を通常は、屋根に載せるわけです。その際に回転灯下部のマグネットと屋根の間に砂や小石でもはさみこんだまま、神奈川機捜ばりの激しいカーチェイスにでも突入したら、やはり、屋根は傷だらけになってしまいます。もちろん、塗りなおせばすぐに消える程度の傷。でも、結構悲惨なことになっています。 なお、警護車両はこれを嫌って助手席の屋根上に透明のシートを貼り付けてその上に赤灯を載せて運用する場合もあります(警護車両の多くは反転式ですが、幹部車両は着脱式もあります)。

キズの参考画像 

http://nightshift.opal.ne.jp/jp8/okayamad140308.jpg


交通用覆面パトカーは「反転式赤色灯」


もっぱら交通部で使用され、交通取り締まりに従事する覆面パトカーのほぼ全ては、機械的に屋根の中央から赤色灯を出す仕組みになっており、運転席のコンソールのスイッチ一つで赤色灯が起立します。いわゆる「反転式」と呼ばれるタイプですが、現在のパトライト社モデルは上下が180度逆に収まっているわけではなく、45度の横向き状態に倒れて収納されています。スイッチを押してから飛び出すまで実に2秒。収納が1.8秒ですから、まさにあっという間です。もっぱら違反車両を追跡する交通機動隊や高速道路交通警察隊の交通用覆面パトカーの場合、100キロを超えることもありますから、そんな状況で窓から手を出して赤色灯を屋根に載せることは危険。機械的に屋根からモーターで赤灯を出すほうが誰が考えても安全ですよね。なお、重要人物を警護するいわゆる警護車もまた反転式になっています。なお、トヨタ製の覆面パトにはトヨタ製の反転式赤色灯が搭載されています。


外国人が日本警察の反転式赤色灯にビックリ!「卑劣だ!」




さて、こんな交通用の反転式警光灯は私たち日本人からすれば「はあ?何がすごいの?」っていう感じで、もはや見慣れたものですが、やっぱりアメリカの警察のように覆面パトカーに反転式警光灯が無い文化圏の人々には珍しいようです。SNEAKY UNDERCOVER JAPANESE COP CAR!!という動画の投稿者は「卑劣だ!」というタイトルをつけています。アメリカなど先進国の覆面パトカーでは、70年代からルーフ装着型の着脱式警光灯のほか、車内設置型のフラッシュライト(カリフォルニア州では州法により警察車両は赤色灯と青色灯の両方を設置しなければならない)を置くなどして今ではとっくに車内設置のフラッシュライトですから、覆面がライトを隠す巧妙な手口はアメリカの警察も日本の警察も同じで、覆面パトカーの運用自体に変わりは無いと思うのですが・・?反転式警光灯を装備したパトカーがあるのは日本国だけなのかはわかりませんが、少なくともハリウッド映画に出てくるアメリカの警察の覆面で日本のような反転式機構は見たことがありません。もし国外でもあれば教えてください。それにしても日本警察では、着脱式や反転式、車内設置など、いろいろな赤灯の使い方があるんだね!

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