殉職と特別賞恤金って?




警察の装備 航空機編


殉職と特別賞恤金って? 




■ 公開日 2013/05/09 15:24:51  
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命を投げうって職務を全うした警察官には、その対価が与えられる。・・ブラックとは違うのだよ。ブラックとは。


警察官が公務中、犯人を追跡中に殺害されたり、自殺志願者を救助するために自らも犠牲になり、命を落とすことを一般に殉職と呼びます。民間人が会社のために死ぬまで働いてもそれは殉職とは呼ばず、ただの私企業の勤奴であり、労災認定などでモメます。さて、殉職した警察官は都道府県警察本部が執り行う盛大な警察葬にて異世界へ旅立ってゴーストママ(パパ)になります。さて、過去報道された殉職事案はどれも、自らの身を顧みない勇敢な警察官の行動で頭が下がる思いです。北海道警察における初の殉職者はヒグマによるものです。熊害(ゆうがい)に苦しむ地域住民と共に、ヒグマの駆除に向かった巡査が羆の返り討ちに遭い殉職。その後、北海道警察では仲間を殺したその恐ろしいヒグマを機動隊のマスコットキャラにしています。一方、戦後は少年ライフル魔事件など出動した警察官が襲われ銃を奪われる事件が起きる一方、激しい学生運動での殉職、あさま山荘事件や、三菱銀行北畠事件などでの殉職事案も起きました。その後は、89年の中村橋派出所警官殺害事件や、92年の東村山警察署旭が丘派出所警察官殺害事件といった、とくに交番で勤務している警察官が襲われ殺害される事件が起きています。とくに終戦直後は治安が悪化し、日本人の土地や財産を集団で脅し取り、自殺に追い込む不逞な者たちが多数暗躍しています。さらにはたびたび警察署までが数百人の暴徒に襲撃されていました。七条警察署巡査殺害事件では職務質問をしようとした巡査が射殺され、百田駐在所巡査殉職事件では刑事を装った朝鮮人に巡査が撃たれ殺されています。日本人の何がそんなに憎いというのだろうか。


殉職すると二階級特進し、特別賞恤金が支給される


図らずも警察官が殉職をすると、即座に警察本部はその警察官の階級を二階級ランクアップさせます。これは旧日本軍が戦争で勇敢に活躍した兵士にしっかりとした評価を与え、レベルアップさせた例に倣ったものです。なお、殉職した警察官の遺族へは国から「特別賞恤金」という数千万円もの金員(きんいん)が与えられることが各都道県警察で取り決められており、その命をなげうった労に必ず報いている点が、使い捨ての不逞な民間企業とは違うところでしょうか。

近年の殉職者


近年では、東京都板橋区の東武東上線ときわ台駅で、線路に侵入した女性を助けようとした警視庁板橋署の宮本邦彦巡査部長(53)が電車にはねられ命を落とした「ときわ台駅警察官列車殉職事故」が多くの人の悲しみを誘いました。話題性からくる視聴率に目論見を付けたテレビ局により、本事故はドラマ化されています。また愛知県で発生した立てこもり事件では、愛知県警察SATが出動しましたが、組員の発射した回転式短銃の弾がSAT隊員の首に命中し命を落としています。近年では、2011年3月に発生した東日本大震災では多くの方々が犠牲になりましたが、その一方で、住民の避難誘導に当たりながらも、津波にのまれ殉職をされた岩手県警、宮城県警、福島県警の警察官ら24名がいます。さらに、今も行方が分からない警察官もいます。自らの危険を顧みないその気高く偉大な警察官たちの精神は今も忘れられません。また、現代では交通取締における殉職事案も特に多く、平成12年、16年、19年、22年に職務中の警察官が殉職しています。2015年3月には大阪市浪速区で交通取り締まり中の府警警察官が、ムーブ・ラテに轢かれる事案が発生し、殉職した当該警察官が二階級特進しています。一方、外国で日本の警察官が殉職した例もあります。カンボジアPKOにおける文民警察官として派遣された岡山県警の警察官が、現地で何者かにより自動小銃で撃たれ戦死しています。

外国の警察官の殉職


もちろん、危険な任務で殉職する警察官は日本の警察官だけではありません。諸外国では警察官を殺害するとその犯人はたいていの場合、とても重い判決が下ります。警察官が任務を執行するにあたり犯罪者を心理的にビビらせるため、「警察官に対する暴行や殺害は重罪あるいは極刑」という法的な武器で、警察官の命を守っているわけです。とくに現在、政府が国を挙げて麻薬カルテルとの戦いを行っているメキシコでは多数の警察官がマフィアとの戦闘で死亡しています。メキシコ麻薬戦争とも呼ばれるこの戦いは、もはや内戦に近い状態で警察のみならず、軍隊まで投入されています。一方で、警察官や軍の兵士ですら買収、あるいは脅迫され警察や軍の武器を持ったまま、麻薬組織側に寝返ってしまう例もあります。そんな中にあってメキシコで勇敢な女性警察官であったエリカ・ガンダーラさんを忘れることはできません。エリカさんはチワワ州グアダルーペの警察署で、正式な警察官ではない補助警察官として無線のオペレーターなどの任務を遂行していました。しかし、ここグアダルーペでも抗争は激化し、それまで多数いた警察官もマフィアに恐れをなし、次々に退職し、彼女が「街で最後の警察官」になりました。それでもひるむことなく、彼女はAR-15というセミオートの軍用自動小銃を片手にパトロールをしたりなど、街の治安を担ってきました。しかし、ある日彼女は自宅にいたところを自宅に放火された上、麻薬カルテルに拉致され行方不明になりました。しかし、メキシコの地獄は遠い国の修羅ではなく、いずれやってくる未来の日本の姿と見て然るべきでしょう。闇金の映画を楽しんでいるうちに家族が組員に騙されて殺される・・・・なんて怖い現実は、私たちの日常のすぐそこに迫っているかもしれません。

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