特殊警棒と警杖




警察の装備 航空機編































































特殊警棒と警杖 




■ 公開日 2013/05/09 15:24:51  
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現在の制服警察官は二段式警棒を使用しています。


刑事ドラマでは滅多に登場しない「警察官の装備」といえば、特殊警棒でしょう。最近ではやたらと拳銃を撃ちまくる刑事ドラマも減った感じがしますが、かと言って地味な装備の一つである特殊警棒が活躍する刑事ドラマもそんなにないのではないでしょうか。とはいえ、最近では「警視庁機動捜査隊216」という2時間ドラマでは、機動捜査隊員が特殊警棒を片手にナイフを持った被疑者を制圧したり、「SP」というドラマでも登場しています。警察官の持った特殊警棒が活躍する映画といえば、やはり「新宿鮫」を挙げないわけにはいきません。新宿鮫シリーズといえば、大沢在昌による警察小説の金字塔。原作の小説でも鮫島警部の所持する装備品として特殊警棒が何度も登場し活躍します。映画ではノーベル製と思われる先端ゴムカバー付属の三段式ショートタイプのシルバーの特殊警棒を手に、鮫島警部が中華料理店で格闘したり、悪い人のベンツのサイドウインドウを割ったりするシーンがありました (同作品では特殊警棒より、ニューナンブが活躍します)。





現在配備されている特殊警棒


日本が戦争に負け、GHQにアメポリ化を強要されるまで、日本の警察官は腰にサーベルを下げていました。その後、1994年の制服・装備品改正まで、日本の制服警察官と言えば、60センチ弱の木製警棒をベルトに吊り下げたスタイルが長らくの定番でした。それまでも、私服警察官は伸縮式の特殊警棒を携行していましたが、94年から制服警察官にも配備された特殊警棒は、アルミ製で3段式の「53型」というモデルでした。しかし、強度不足の声が現場から上がったようです。その後、2006年からは2段式の「65型」になり、以前の53型に比べて、収納時、展開時どちらとも長く、刃物を持った犯人と格闘する際などに有利になったとのことですが、二段になったことでバランスが悪くなったという意見もあります。また、刃物除けの鍔を装備しており、普段は1文字に収まっていますが、十字に展開することができます。収納する際は、地面などの硬いものに先端を打ち付けて納める必要はなく、ストッパーを解除することでワンタッチで収納できます。なお、「特殊警棒」とは警察に正式納入しているノーベル工業の登録商標であり警察の制式名称ではありません。ノーベル工業では古くから警察向けに特殊警棒を製造しています。実はこのノーベル工業、制圧用警杖という大変すごいものまで製造販売しています。山口県警察が武田商店に納入させた新型警棒は、グリップエンドに車のサイドガラスを割るためのガラスクラッシャーという突起も装備されてます。


私服刑事用の特殊警棒


私服の捜査員用には、上記の旧型53型警棒より全長が短く秘匿性に優れた、ツバなしの41型警棒などが配備されています。以前はツバの無い、鋼鉄のシャフトで作られたノーベルの旧型警棒をウン十年以上にわたって使用していました(ツバを後付できるようにツバだけ販売もしていました)。

参考文献 http://www.japan-sit.com/Keibou.htm


日本警察の特殊警棒に似たそのほかの警棒


ユイルK-1という韓国製の特殊警棒が、旧53型警棒に似ているということでマニアに人気だそうです。また、TMMと並んで日本国内の警備会社の採用実績もあるとのこと。一方、ジストスという警棒は警察以外の特別な司法警察(自衛隊の警務隊など)や、ALSOKの現金輸送警備員に使用されているという民生用/公用警棒です。

特殊警棒の動画

こちらは警視庁交通機動隊白バイ隊員が免許の提示を拒む女性の車を取り囲んで特殊警棒で窓ガラスを割り、道路交通法違反で現行犯逮捕しています。

http://www.youtube.com/watch?v=bm5Ob-gvWhU&

民間人の警棒所持は違法か?


一般論ですが、あくまで家の中で所持したり購入すること自体は、何ら法律に違反しません。ただし、警備員以外の一般人が特殊警棒を「携帯」することは、護身用やファッション目的など、その理由の如何にかかわらず、軽犯罪法違反に問われてほぼ確実に逮捕されます。一方で、一般人が特殊警棒を持っていて警察に逮捕された事件では、その後の裁判で多額の金銭を持ち運ぶという正当な理由があったことを根拠として、無罪判決が出た判例があります。また、警備員であっても業務で扱う場合のみしか携帯できませんし、事前に届け出をしたうえで携帯します。

警察の警杖とは


警棒よりも長い警杖は、一般の警察官から機動隊員まで配備されているもので、警察の打撃系武器の最終兵器です。このようなもので叩かれたりすると、死ぬので危険です。以前、武装スリが武器を所持したまま住宅街に逃げ込んだ事件では警察官が大量動員されましたが、キンパイで駆けつけた交通課員含む多数の警察官が警杖片手にオラオラ節で追いつめるのは迫力がありました。警杖は武器としての使用方法以外にも、犯行現場での遺留品捜索や山林での行方不明者捜索において藪をかき分けるために使用されることもあります。現在では民間の警備員も警杖の所持と使用を認められています。

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