警察の銃器.3(旧装備編)




警察の装備 航空機編































































警察の銃器.3(旧装備編) 




■ 公開日 2013/05/09 15:24:51  
スポンサード リンク



日本警察では戦後を境に、サーベルから拳銃へと警察官の個人携行武器が大きく変更された。そして戦後の日本警察で配備された銃とは・・・?


日本警察では戦後を境に、サーベルから拳銃へと警察官の個人携行武器が大きく変更されました。それまでの警察官の武器と言えば、警視庁の特別警備隊を除けばサーベルか短剣のみで、一般の警察官は普段、けん銃を携行していませんでした。ところが、日本が戦争に負けてアメリカの統治が始まると、戦後の治安状況が激しく悪化していたことが理由なのか、近代警察に馴染まないという理屈なのか、GHQによって帯刀禁止命令が出され、代わりに警棒および、けん銃が携行されることになったのです。当時の物資不足は警察の装備品であるけん銃についても同じだったようで、アメリカ軍から供与された軍用拳銃のほか、M1917などの短銃が、混在しながら貸与されていたようです。絶対に許されることのない犯罪へ挑戦する警察官の新たな武器として、けん銃が広く配備され新たな時代の幕開けとなったのです。

M1917


S&W M1917 .455HE2 4インチカスタム スチールフィニィッシュ (18歳以上ガスリボルバー)

S&W M1917 .

戦後に、アメリカ軍から日本警察へ大量に譲渡され使用された大型けん銃。昭和40年に起きた少年ライフル魔事件では、逃げる少年ライフル魔に警察官がM1917を向ける姿がマスコミに撮影されているが、その巨大な銃のシルエットもあって圧巻だ。実はM1917にはS&W社製とコルト社製の二種類があり、弾丸の口径や重量などはほぼ共通化されているが、設計は異なっている。というのも戦中、コルト・ガバメントは各社でライセンス生産されたが、それでも製造が追いつかず、軍がS&W社とコルト社の二社に「民生向けのリボルバーでガバメントのドングリ(.45ACP)を使えるにしろ」と無茶を言い、両社はすでに自社で販売していた製品を発展開発させた結果、出来上がったのがこれであった。自動式けん銃用の弾丸をリボルバーで使えるように無茶をしたため、不発が多かった。日本の警察では昭和50年代ごろまで配備していたようであるが、38口径のチーフをもとに開発されたニューナンブM60に比べると、相当な大きさがある。

http://www.zetubou.com/xrifle.htm


−コルト・オフィシャルポリス−



JRの前身組織である日本国有鉄道(国鉄)が、独自に有していた警察「鉄道公安職員」用として配備されていたのが、コルト・オフィシャルポリス。しかし、国鉄の民営化により民間会社が警察を保有するのは異常だとして鉄道公安職員は廃止され、装備品であるけん銃は警察へと譲渡された。なお、国鉄公安職員も試験を経て、都道府県警察官として大部分がリサイクルされたが、鉄道マンのレールウオーズ!精神に反して屈辱だとして退職したり、逆にどさくさにまぎれてJRの社員になってしまった強者もいた。

S&W M10ミリタリー&ポリス



M10 4インチ (モデルガン完成品)

M10 4インチ
スミスアンドウェッソンの38口径中型リボルバー。その名の通り、軍(憲兵隊)や警察向けのオフィシャル拳銃として売り出され、とくに60年代から80年代、全米の警察からは大きな支持を得た。銃身の細いオリジナルモデルや、銃身が太くされたヘビーバレルモデルが存在する。画像はヘビーバレルモデル。

S&W M36 Chiefs special 3inch



NEW M36 3インチ ポリフィニッシュ ウッディーグリップ マーク入り (モデルガン完成品)

M36 3インチ

1992年に発生した「東村山警察署旭が丘派出所事件」にて警察官が襲われ、拳銃が奪われたが、このときに奪われたのが、M36の3インチモデルで、事件の情報提供を呼びかける警視庁公式サイトにて「奪われた拳銃」として公表されている。

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/jiken/jikenbo/murayama/murayama.htm

言うまでもなく、M36はニューナンブの開発ベースとなった銃である。チーフの3インチはアメリカ本国でもマイナーなモデル。

十四年式拳銃


南部14年式メタルブルー後期

14年式拳銃

結局のところ、アメリカ軍が貸してくれた銃だけでは数が間に合わないため、 アメリカ軍が旧日本軍から大量に接収した南部十四年式拳銃も日本警察に引き渡された。戦後、サザエさんみたいな髪型をした女性警察官(当時は婦人警官と呼ばれていた)が14年式で射撃訓練を行う写真を雑誌で見たことがあるが、サザエさんのインパクトもあって、圧巻だった。なお、この南部十四年式といえば東京マルイのエアガンのラインナップに長らく並んでいたが、今の若い世代には受けが悪く 東京マルイは絶版にしてしまった。

FN ブローニングM1910(Fabrique Nationale Browning Model 1910)



マルシン 【モデルガン】  M1910 エクセレントHW ダミーカートリッジ仕様

昭和の私服刑事に愛用された名銃。元・麻薬取締官のアニメ監督が、取締官時代に使っており、またアニメの中の女性キャラに持たせていたのも、この銃だ。フージコちゃ〜ん。重量は570グラムと軽量で、ハンマーが内蔵型になっており、外部露出しないため、衣服にハンマーが干渉しにくい。日本では戦前戦中に民間販売もされており、人気が高い銃であった。現在も田舎の旧家から当時もののビンテージなM1910が、亡き夫の遺品を整理中に発見されることが稀にある。もちろん、90歳を超えた妻が正直に届けても不法所持で書類送検され、銃器摘発ノルマは本日も無事達成されるのであった。

ワルサーPPK


WALTHER PPK ベーシックモデルHW (モデルガン完成品)

WALTHER PPK


警視庁のSPや皇宮警察の側衛員に使用された拳銃。当時の総理大臣が、ドイツへ外遊したときに「我が国のワルサーけん銃はとても良いので、日本警察のけん銃として採用してほしい。御願いします〜ん」とドイツの首相に直々に売り込まれたという話を聞く。

コルト・ガバメント


CAW クラフトアップル製 M1911A1 ガバメント 発火仕様

CAW クラフトアップル製 M1911A1 ガバメント 発火仕様
B005OP2X74 | CAW | ¥ 32,800

浅間山荘事件をリアルタイムで知る世代の方々にはもう説明不要であろうが、当時の報道では、警視庁機動隊の装備として、ガス銃とコルトガバメントが、テレビ画面に何度も映し出された。その一方で愛知県警察などは交番勤務員にも80年代まで貸与していた。大型拳銃とよく呼ばれるが、握り具合は日本人でも違和感が少ない。しかしながら、ニューナンブは700gに対してガバメントは1077g。柔道の猛者である機動隊員ならいざしらず、交番勤務員の腰にガバメントが吊られていたら大変な負担だったのではないだろうか。平成初期までは、各地の警察本部でもポピュラーだったようだが、昨今は視閲式でも、もうオモテ舞台に出ることは無いだろう。ただし、自衛隊では45口径の短銃を新規に評価試験用として取得しており、警察でも可能性はあるのかもしれない。

レインボーラグーン .45ACP フルサイズ 空撃ちダミーカート 【各社共通8発フルサイズ空撃ち用ダミーカート】

有名な45口径ですが、やはり軍用拳銃弾であることから、拳銃弾の中でも威力が高い部類に入ります。その理由は口径の大きさだけでなく、重い弾頭を低速で射出することで、人体の中を貫通するまでにほぼ全てのエネルギーを使い切るためのようです。

コルト25オート(コルト・ベスト・ポケット)−



コルト 25オート ヘビーウェイト ダミーカートリッジタイプ モデルガン・完成品

コルト 25オート 

25口径の小型けん銃。画像は参考。女性警察官やSPなどに貸与された。威力は32口径や38口径に劣るが、小型軽量のためにアメリカでは女性用の扱いやすい護身用拳銃として売り上げを伸ばした。しかし、マン・ストッピングパワーに劣り、反撃されることもあるため、扱いは十分に考慮しなければならなかった。ところが、近年発生した『餃子の王将社長事件』で使われたのが、この25口径弾を使用する拳銃だった。


ススポンサード リンク




inserted by FC2 system