覆面パトカー解説(海外編)




警察の装備 航空機編































































覆面パトカー解説(海外編) 




■ 公開日 2013/05/09 15:24:51  
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もちろん、海外の警察にも覆面はあります。タクシーに偽装させたパトカーや"覆面パト"みたいな車もご紹介!


アメリカン・ポリスカー大図鑑   エイ文庫 (027)

アメリカン・ポリスカー大図鑑 エイ文庫 (027)
4870998505 | 矢吹 明紀 | エイ出版社 | ¥ 734 | 2003-03

日本では一般車両に偽装された警察車両を俗に「覆面パトカー」(警察の公式な名称は捜査車両)と呼びますが、アメリカでの英語の名称はどうでしょうか。無論、もはや警察に興味のある人なら誰でも知っていると思いますが、「パトカー」は和製英語で、日本でしか使われていません。英語圏で警察車両は「ポリスカー」と呼ばれるため、アメリカにおける覆面パトカーの名称は「Unmarked policecar」が一般的です。Unmarkedには、無表記という意味があり、つまり警察の表記が書かれていない警察車両ということになります。アメリカの警察の覆面パトカーの場合で言えば、現在ではほとんどが車内の前後(さらには左右にも!)それぞれに設置されたフラッシュライトを点灯させて緊急走行を行っています。このライトは、緊急走行のたびに、着脱する必要はなく、恒久的に車内に設置されるのが特徴です。フラッシュライトのメーカーはフェデラルシグナル社やウィレン社が特に有名で、全米の法執行機関で採用されています。日本警察のように外部に回転灯を露出させる覆面パトカーは珍しくなっているようです。


NYPDの「タクシースクワッド」に配備されるタクシー型覆面PC


さて、ニューヨーク市警から面白い話を。NYPDにはタクシーに偽装した覆面パトカーが実際に存在し、このチームはタクシースクワッドと呼称されます。車体はまったく普通のいわゆる「イエローキャブ」で、屋根には日本のタクシーも載せているお馴染みの"アンドン"もあり、アメリカのタクシーの風体そのものですが、乗務しているのは市警の警察官2名で、一人は後部座席の客を演じるというから憎らしい。通常は「タクシー」として街を密行、事件がひとたび起きれば緊急走行にて現場へ向かいます。えっ!?タクシーが緊急走行ってどういうこと?と、皆さん疑問に思うでしょう。緊急時には当然、サイレン吹鳴と赤・青・白色のフラッシュを点滅させるわけですが、フラッシュライトは前面グリル内、そしてリアはナンバーの両サイドにホワイトのフラッシュライトが埋め込まれており、外見で判らないようになっているのが特徴です。こんな覆面タクシーが、パトカーと一緒に連なって緊急走行している様はやはり異様。でも、こんな奇抜なアイデアはさすがにアメリカというところです。街頭犯罪抑止に役立っているのかどうかデータとしてわかりませんが、何千台も走っているタクシーの中の数台が警察車両かもしれないという事実は、犯罪者に心理的負担をかけるであろうことは確かのはず。一方、こちらは警察のパトカーではないけれど、「タクシー会社が運用している偽パトカー」の話題。この車両、何がオカシイのかというと、前半分がパトカーの塗装で後ろ半分がタクシーの塗装に。つまり前方を走る車がバックミラーで後ろを見たらこの車両がパトカーに見える・・というカラクリ。なお、このような例は日本のタクシー協会でも行われておりパトカーそっくりの白黒塗装の車両を巡回させてタクシーのマナー指導を行っています。

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アメリカにも悪質な覆面パトカーマニアが・・・。


さきほど、「Unmarked policecar」と書きましたが、実は「(警察の)マークの入った覆面パトカー」もあります。これはとくにハイウェイパトロールで多くみられますが、覆面というよりは、通常のパトカーから屋根の上の警光灯を外して車内設置型フラッシュを搭載した「中途半端な覆面」と考えてよいかもしれません。このような警察車両が存在する理由は、警察の表記が入っていない場合、偽覆面と勘違いされ、市民が銃を抜く恐れがあるためのようです。まず、撃て。手帳の提示はそれからだ。実際、アメリカでも日本と同じように偽の覆面パトカーによる事件が相次いでいますから、市民は偽覆面パトカー(いわゆるフェイク・ポリスカー)に対しては、強く警戒しています。中には間抜けな偽覆面もいて、あろうことか帰宅中の現職警官の私用車を止めてしまい、「お前偽物だべ!」とやられ、そのまま御用になった事件もありました。別ページで、イキすぎた警察マニアたち(現職警察官含む)のオモシロ事件をご紹介いたしましたが、アメリカにも覆面偽装マニアが存在するんですね。さらに「世界まる見え!テレビ特捜部」で過去に紹介された例では、フリージャーナリストが自分の車を警察の覆面車両風に改造し、サイレン吹鳴とフラッシュを点滅させライバルを出し抜いて事件事故現場へ一目散に直行するというとんでもないものがあったので、みなさんもアメリカへ旅行する際は日本の常識が通じないのでぜひご注意を。サコダ・ベガ・ヒロシ・ガブリエル的なのです。また、米マサチューセッツ州で自家用車のマセラッティをパトカーのカラーリングにした男が逮捕されたそうです。車体の上に警光灯やボディのサイドに「POLICE」の表記が無い代わりに、どこかで聞いたような名称とマークが・・。いわゆる「パトカーもどき」車両ですが、警察は激怒。逮捕された男の「自分の車に気づけば周りの車は減速する。警察の仕事を自分が手伝ってやってるんだ」という勝手な言い分にみんな唖然です。

典拠 産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/world/news/140819/amr14081915290010-n1.htm

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というわけで覆面パトカー禁止の州警察もある


このように偽覆面パトカーを使って違反金をだまし取ったり強盗や女性にわいせつ行為を働く犯罪者が多くいるため、一部の州警察では裁判所命令で交通取締用覆面パトカーの使用を禁止した州もあります。ニューヨークでは96年から州知事例で交通取締のみ、覆面パトカーを禁止しています。ただ、捜査用の覆面パトカーまで禁止された例はないようです。



デンマークで覆面が覆面を追っかけて事故る!


デンマークの警察で、取り締まりに当たっていた覆面パトカーを別の覆面パトカーが、覆面と知らずに追いかけて、カーチェイスを繰り広げるという話題があった。当初、追いかけられたほうの覆面は交通違反車両を追尾中だったという。それを知らずに別の覆面が覆面を違反車両と勘違いして延々とカーチェイスをし、最後には一般車両に衝突し事故を起こしたという。なぜサイレンやライトをつけなかったのか・・・!? 

覆面パトカーにレースを仕掛けたバカな子


機捜の覆面レガシィと気が付かずに煽りかまして、サイレン鳴らされ追いかけまわされて挙句の果てに・・という事件、北海道札幌市で近年ありましたが、こちらも相手が覆面と気付かなかった間抜けな事件です。2013年2月、南アフリカのケープタウンで16歳の少年が運転する車が隣に並んだワーゲンを挑発。ドラッグレースを仕掛けたのだ。信号が変わるや否や、少年は猛発進。ところがこのワーゲン、やにわにフラッシュライトを点灯させ、サイレンを吹鳴させた。そして拡声器で「前の車の運転手さーん。左に寄せて停車してください・・はい、ソチラで結構です」と御声がけ。実は覆面パトカーだったのだ。少年はあえなく御用に。

偽の覆面パトカーを使って移動する大物女性歌手!?


なんと、あのアメリカの歌手、マドンナがイギリス国内でのコンサートツアー中、その移動に偽の覆面パトカーを使った疑いがとりだたされています。英字紙ミラーによるとマドンナさんを乗せた高級車ジャガーが不法に覆面パトカーを装って渋滞をすり抜けた疑いがあることがわかりました。もちろん、マドンナさんが自分で運転していたわけではなく、どうやら専属の運転手だったようですが、ダッシュボードの上に警察が使用するフラッシュライトをつけて点灯させ、クラクションを鳴らしまくり走行、他の車に道を開けさせて渋滞を"カット"していったようです。これにはマドンナのファンもさすがに驚き、さらには批難。これが問題のマドンナ'sジャガー。本当にダッシュボード上には覆面パトカーの使う赤と青のフラッシュライトが。スコットランドヤード (英:Scotland yard)の担当官は「これが(ロンドン)警視庁の車であるとは考えられない」と答えています。ロンドン警視庁ではさらに「覆面パトカーを装った車を不法に運行した場合、6カ月の懲役が科せられる。ただ、その嫌疑は当然、マドンナさんではなく、運転手にかかるだろう」と話しておりどうやら、イギリスでもアメリカやその他の外国諸国と同様に覆面モドキには大変厳しいようです。

記事および写真の典拠元の明示
http://www.mirror.co.uk/3am/celebrity-news/see-madonna-use-fake-police-6950450


さらに世界の「覆面パトカーみたいな車」事情!


世界的に見ると覆面パトカーみたいな車は警察機関以外にもあります。こちらは警察ではなく、消防の緊急車両ですが、なんと「消防士個人の私用車」に緊急車両指定が条例で許可され、サイレンとフラッシュライトが搭載されているそうです。これはとくに幹部消防隊員の私有車が適用されているそうですが、理由はやはり隊員がいち早く現場に駆けつけるためだそうです。 http://northernprideml.com/2011/11/22/lights-and-sirens-approved-for-firefighters-personal-vehicles/&#

またロシアの政府高官の黒塗りセダンには、サイレンと青い回転灯が装備されていて、緊急時にはこれらを使用し警察のパトカー同様に緊急走行が認められているそうです。それだけでも日本人からすればびっくりですが、このロシアの政府高官たち、必要もないのにサイレンを鳴らし青灯を回して一般車両を排除したり、割り込んだりする野蛮な振る舞いが、一般市民からとみに嫌われているそうです。youtubeに投稿された動画では、青ライト装備の高官の車が、警察のパトカーにまで無理やり割り込みしてパトカーにサイレンを鳴らされるなど実際、やりたい放題というのが見てとれます。高官の車はモスクワだけで1000台以上あるとされ、民衆たちの間でこれらの横暴な特権階級に対して抗議するため、青いバケツをかぶって、あるいは自分の車に青いバケツを載せてデモをしたり、政府高官の車にいやがらせをするのが流行っているそうです。言うまでもなく青い回転灯に対して青いバケツで皮肉るというユーモラスな抗議です。詳しくは「BLUEbucketRUSSIAN」などの言葉でオググリになってください。それにしても世界には不思議な特権というか、緊急車両事情があるものです。皆さんも世界のオモシロ緊急車両事情を知っていれば教えてください。

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